こんにちは、nissyです。
私は現職で研究開発DXを社内に推進する業務に従事しています。この役割はテクニカルな側面だけでなく、組織や人を巻き込む観点からも多くの課題を持っています。日々、新たな学びがあると感じています。
DX推進は「仕事のやり方を変える=これまでのやり方を否定する」という側面があります。そのため、全社員がDXを好意的に受け入れるわけではありません。
そんなとき、箕輪航介さんの動画を思い出しました。
この動画が私の中で非常に印象的だったので、私目線で感じたヒエラルキーのレイヤーを擬人化して整理してみたいと思います。私の考察が、研究開発だけでなく、新規プロジェクトや提案を進める方々の参考になれば幸いです。
- 30代半ばの中堅社員
- 開発部の人数は100人ほど
- 社内の研究開発DX推進を担当
- マテリアルズインフォマティクスプロジェクトの強化のための人員増加を依頼し、経営層の承認と指示を得たい。
経営層を理解する
彼らは会社の方向性を決め、株主の期待に応える役割を持っています。多様性やSDGs、DX、SXなどのキーワードへの興味が強く、対外的なアピールを重視しています。しかし、現場との距離があるため、具体的なサポートは期待しづらい。新規プロジェクトを通すためには、経営層の期待値を超える提案と、熱量を持ったプレゼンが必要です。
【 対 応 】
「自分ができる限りの大見得を切る」ことにチャレンジしてみてください。。
経営陣の前で切れる一番の大見えが、実はこれがイコール現在の自分のキャパシティです。
是非チャンスがあれば自分の現在のキャパシティを測る上でも、大見えを切ることに挑戦していただきたい。
管理職(開発部長など)を理解する
管理職は事業と組織の双方からの視野を持ちつつ、新しい取り組みに対して基本的に保守的な立場を取ります。彼らが新規プロジェクトを進める際、実績や成果が最も信頼される指標となります。
DXの導入時には、DXが「従来の仕事の方法を変える」ことを意味するため、彼らのプライドを傷つけずに変革を進める姿勢が必要です。実際に、彼らは保守的なマインドでの実績を重視して出世してきたため、新しいことに積極的に取り組むことは難しいと感じるかもしれません。
そのため、彼らに新しいプロジェクトの価値や期待値を説明するだけでは効果が薄い可能性が高い。彼らは現実的であり、結果を重視します。したがって、小さな成功体験を通じて、結果をコンスタントに示すことが重要です。
【 対 応 】
彼らは決定権を持つわけではありませんが、彼らとの協力関係が変革の成功を左右するため、彼らの意見や感情を尊重しながら、プライドを守るように対話を進める必要があります。
また、提案時には守備策をしっかりと組み込むことで、彼らからの承認を得やすくなります。例えば、人材の補充やリスクを減少させる策などを提案に取り入れることが考えられます。
実担当者(一般社員)を理解する
実担当者には直接的な責任が少ないため、変革に対する関心が薄いことがあります。しかしながら、新しい技術や取り組み、特に「マテリアルズインフォマティクス」に対する興味を持たせるのは極めて重要です。
実担当者とのコミュニケーションを増やし、継続的な教育を施すことで、彼らの知的好奇心を刺激することができます。この教育の際、入り口のハードルを低く設定し、徐々に高度な課題を提示することで興味を維持させるアプローチが効果的です。
彼らのコミットメントを高めるためには、教育を優しく、相手目線で寄り添った方法で行うことが必要です。また、彼らとのコミュニケーションを容易にするための環境、例えば技術的な質問窓口用のチャットグループの構築なども考慮すると良いでしょう。
まとめ
DXの導入や推進は、単に技術の導入だけでなく、組織全体のコミュニケーションや人々の認識の変革を必要とします。経営層、管理職、実担当者という異なるヒエラルキーに存在するステークホルダーに合わせて、メッセージやアプローチを適切に変えることが、DXの成功へのカギとなります。
組織や人の変革は一朝一夕には達成できません。しかし、確固たるビジョンを持ち、絶えずコミュニケーションを重ね、関わる全ての人々とともに取り組んでいくことで、DXを成功させるための道は開かれるでしょう。
そして最後にDX推進の成功への道に最も大事なことは、担当者の熱量だと考えています。
絶対に成功させるという熱量を持って頑張っていきましょう。
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