【メリット多数】化学メーカー若手技術職こそ機械学習を勉強せよ!

仕事

こんにちは、nissyです。
本日は「化学メーカー若手技術職が機械学習を学ぶべき理由」について紹介したいと思います。

化学業界と言えば比較的年収も高く、福利厚生が充実している企業が多いことから「ホワイトな業界」というイメージが強いです。私自信も2社の化学メーカーで働いた経験がありますがどっちらもホワイトな会社だったなと思っています。一方で、化学メーカー技術職で働いていると「汎用的な専門スキルが身につかない」「潰しが効かない」と言った危機感を持っている人もちらほら見かけます。

そんな悩みを抱えている方にはぜひ機械学習を学んで欲しいです。

機械学習を業務に活用し、社内で化学系データサイエンティストの地位を築くことができれば、化学業界の恩恵を受けながら専門性も身につけることができます。

機械学習とは

私が機械学習を人に説明するときは「専門分野に特化した電卓を作るイメージ」と伝えます。
電卓のように「1+1=?」と入力したら「2」と出力してくれるように
「モノマーA+モノマーB+モノマーC=?」と入力したら「高分子のある物性値」を出力してくれるような超ニッチな電卓を作れるわけです。

それではどうやって専門分野に特化した電卓を作ることができるのか?
それは、自身の専門分野に関連したデータを機械学習モデルに入力することです。
よく擬人法のように「機械学習にデータを食わせる」みたいに言いますが、まさにデータを食わせれば機械学習は自動で成長して立派な電卓に育ってくれます。

データは21世紀の石油」という言葉が使われていますが、化学系データサイエンティストの主な仕事はこの21世紀の石油の精製です。
できるだけ多量のデータに対して丁寧な精製を施すことで機械学習モデルの精度が向上し製品開発業務において有効なツールとなります。

実験データは人により作られるので、大抵の場合ビッグデータと呼ばれるような大規模なデータセットにはなりません。そのため精製もより緻密で丁寧な仕事が求められます。

データサイエンティストってかっこいいイメージがあるけど、地味で細かい作業の繰り返しなんだ。

機械学習を活用するメリット

続いて主に製品設計を具体例に機械学習を活用するメリットについて紹介していきたいと思います。

今振り返ってみると、あの時機械学習活用できたな〜」と思えるシーンが結構あります。

複雑系の予測と解釈ができる

機械学習は特徴量の種類が多い(列の数が多い)データセットに対してもしっかりと予測を出してくれます。化学製品は様々な種類の原料を混ぜたり、反応させたりして製造されます。言わば複雑系です。使用する原料種が多かったりするので考慮すべき特徴量は多くなってきます。全ての原料の特徴を把握して配合設計することは人間では不可能でしょう。

また原料メーカーから購入した原料も化学構造が完全に開示されないなどブラックボックス状態で使用している原料も多いです。そんな不確定事項な情報が多い複雑系での製品開発を仕事にしているが故に逆にシンプルに考えすぎてしまい、製品設計ノウハウが経験や勘をベースとしたものに集約されてしまいます。例えば、「原料Aの新たに加えると物性Bが向上することが経験的にわかっているが、なぜ向上するか厳密には理解していないまま原料Aを添加する」などです。

機械学習を正しく使えば経験・勘に基づいた設計からの脱却が可能になります。

トレードオフの物性間の最適解も探しやすい

先ほどの複雑系と話は類似しますが、例えばある物性Aを向上させることに成功したが、逆に別の物性Bが悪くなってしまうことは背品設計を行う上ではよくあることです。製品開発者の腕の見せ所は物性間のトレードオフの関係を考慮したパレート最適解を達成するような配合設計を確立すると言っても過言ではありません。

考慮すべき物性が2つだとしたらグラフで確認できますが、3、4つ・・・と増えていったらもうお手上げです。

このように考慮すべき事象が多くなるケースではむしろ多変量解析でこそ力を発揮する機械学習を活用するべきです。

若手社員こそ機械学習を勉強すべし!!

私は若手の化学メーカー技術職こそ機械学習を学ぶべきと思っています。
その理由は、化学製品の設計は複雑系であるが故にノウハウが個人の経験や勘に依存するからです。
言い換えると、その業務に従事している期間の長さが設計能力と強い相関を示します。
その人たちが退職を迎えた時、全てのノウハウを経験の浅い若手社員が引き継ぐのは困難です。

しかしながら、データならしっかりと蓄積していけば引き継ぐことは可能です。
現場の経験や勘に頼らず、客観的・定量的に設計ノウハウを把握したいということは常に求められる潜在的な課題だと思います。その課題を突破する鍵となるのが機械学習の活用になります。

経験の差を埋めるためにも若手社員には機械学習を学び、社内で化学系データサイエンティストのポジションを狙って欲しいと思っています。

まとめ

  • 化学系データサイエンティストのポジションを確立すれば、ホワイトな業界で専門性を伸ばせる。
  • 経験や勘に頼っている化学製品設計は機械学習と相性が良い。
  • 若手社員こそ機械学習を勉強し、先輩社員との経験の差を埋めよう。
仕事
未経験の壁をぶっこわ〜す!化学系データサイエンティスト転職ブログ

コメント

タイトルとURLをコピーしました