こんにちは、nissyです。
本日は「化学メーカーが求めるデータサイエンティスト像」について紹介したいと思います。
まず大前提として化学メーカーにガチガチのデータサイエンティストは求められていないです。
化学のバックグラウンドがあり、かつデータサイエンスのスキルを有している人材を求めています。
ここに未経験でも化学系データサイエンティストになれる勝機があります。
一般的なデータサイエンティストには何が求められるのか?
一般社団法人データサイエンティスト協会によると、データサイエンティストに求められるスキルとして「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」が挙げられ以下のような図表の形式でスキルマップが表現されています。
今このブログにお越しいただいている方はデータサイエンティスト未経験を想定していますので、
当然全てのスキルを満遍なく有していることはないと思います。また全てのスキルを有していないとデータサイエンティスト職に就けない訳ではありません。
私が実際に働いて感じた化学系データサイエンティストに求められるスキルは”ビジネス”と”データエンジニアリング”を結びつける能力であると感じています。
社内教育でデータサイエンティスト人材を育てるのは難しい
先ほどの図表の通り、データサイエンティストは特にビジネス力とデータエンジニアリング力を結びつける力が求められます。化学系データサイエンティストは数としてはあまり多くないでしょう。
実際のところ挑戦はしているが初学者のレベルを抜け出せていないと言う表現が正しいかもしれません。私が思う理由は以下の3点です。
- 化学系の学部・大学院を卒業している場合、プログラミング経験を有している人がほとんどいない
- 学系の学部・大学院を卒業している場合、数学をほとんど履修しなくても卒業できる大学が多く、統計学の基礎となる数学に苦手意識を持っている人が多い
- 械学習の参考書で出てくる事例が実務と乖離しすぎて、有用性を理解できない
すぐには成果が出ないデータサイエンスの勉強を根気強く継続することと、メインの開発テーマを進めることと両立させるというハードルを超えることができる人は決して多くなく、やはり企業も中途採用で即戦力となる人材を確保すると言う選択肢を検討せざるを得ないのでしょう。
化学者は化学・製品の話をするのが好き
このタイトルに本記事の答えが凝集されていると思います(笑)。
化学者は考察に関する議論に混ざっていたいものです。現状報告をするための会議であったのにも関わらず、考察の精度や実験条件の正確性の話に議論が逸れていくことも稀にあります。当然ながら自分の仕事にプライドを持っていますし、経験が長い人ほど自分なりの理論が構築されています。
そのような中で、いきなり”データサイエンティスト”という肩書を引き下げ、データサイエンスの専門用語連発で議論を進行されてはあまり良い気分にはなりません。そのため、開発者とスムーズな議論をするためには化学のバックグラウンドはマストになります。現状では化学のバックグラウンドがないと、化学メーカーで働く場合周りから浮いてしまう可能性が高いと考えられます(笑)
「周りからは何をしているか分からないので浮いている」というのは、言い換えると、大人数との競争から避けられているので、良い傾向でもあるとも言える!
因みにですが、化学をバックグラウンドとして持っている方で、データを扱うような情報化学系に長けた人が少ないのと同様に、情報科学系のバックグラウンドを持っている方で、化学に長けた人は少ないです。
両者の面から見ても化学系データサイエンティストという立場を確立することができれば、希少性の高い人材になることができます。
まとめ
化学メーカーが求めるデータサイエンティスト像について記事をまとめました。
化学系データサイエンティストは一般的なデータサイエンティストとは違って化学の知識が大前提になります。情報科学をバックグラウンドに持つ人や、化学をバックグランドに持つ人は大勢いるが、それらが掛け合わさった人材というのは非常に希少性が高いと言えます。是非、その希少性という価値を掴むために化学メーカー技術職(特に若手)の方はデータサイエンス・機械学習について学んで行って欲しいと思います!
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